競売会社とジンクス
かつて競売会社にいた頃、競売会社の中には、様々な決まりごとがありました。
そのうちの一つに、こんなものがあったのです。
“建物がどんなに古くても、建物を解体し、販売してはダメ!”…というものです。
まあ、いわゆる“ジンクス”みたいなものですね。
これについては、正直なところ、一概に言えません。そうではないケースも、それなりにはありましたので。
ただ、“絶対的”…とまではいかないまでも、不思議と建物を解体すると、販売期間が長引き、売れ残ってしまう…ということが、その競売会社の常でありました。
もちろん、販売方法自体に問題があるのかもしれません。ただ、決まって建物を解体すると、赤字の売却ということが、競売会社の経験則であったのです。
考えてみると、ごく当たり前なんですけども…。
当然、建物を解体すれば、買主さんの強い動機づけとなる要因は、場所柄の他には、“価格”しかないわけでありまして、価格にひときわの魅力がなければ、見向きもされないのは、必然です。
会社としては、リフォームで付加価値(利益)をつけていたのに、建物がないとなれば、それができなくなるわけでして。
ましてや、土地が有り余っている地方となれば、尚更ですね。
“建物が古く、使い物にならない”…という発想は、紛れもなく、営業マンが“綺麗にして、売りやすくさせたい”…という理屈づけにすぎないわけであります。
偏見や先入観も持って仕事をしている限りにおいては、“モノは売れませんよ”…という典型かもしれません。
建物が傾いていても、さらには、雨漏りがしていても、それを買いたいと思っている人はいる…という発想を持たない限りは、これから先、特に“モノが売れない時代”においては、生き残ってはいけないのでしょう。
競売会社にいた頃は、あまり好きではない決まりごとでしたが、限りある資源を大切にするという意味においては、良い教訓ではないのか…と最近、私は感じています。
- 関連記事
- 競売会社とジンクス
- 引渡命令と競売会社の決まりごと
- 任意売却と競売の強制執行